キャッシングを上手に利用するために改正貸金業法を理解しておこう
従来銀行から融資を受ける場合は担保が必要となり、担保が無い人には十分返済能力があるにもかかわらず、なかなか融資を受けることが難しい状態でしたが、担保を取らず融資を行う消費者金融ができて多くの人が融資を受けることが出来るようになりました。しかし、当初はこの消費者金融を規制・管理する法律が無かったことから利用者との間で問題が起こることも多く、これを規制・管理するために1983年に出来たのが貸金業法(当初は貸金業の規制等に関する法律)です。
その後、法外な利息を取っているような闇金を規制するための改正などを経て、2006年に成立したのが現在の改正貸金業法です。この改正では、従来利息制限法と出資法で差があった上限金利(この間の金利をグレーゾーン金利と言う)を撤廃して利息制限法の20.0%を上限金利とし、これ以上の金利での契約が出来なくなりました。これによって出資法の上限以上の金利は従来どおり刑事罰の対象となり、従来のグレーゾーンの金利は行政処分の対象になっています。(⇒グレーゾーン金利とは)
今回の改正でのもう1つの大きな改正点は過剰貸付けの抑制(総量規制)と呼ばれるもので、原則として融資の上限が前年の収入の3分の1までとされたことです。これは1つの業者内だけではなく、何社かから融資を受けたとしても全部合わせた上限になるため、収入が少ない場合には、必要とするお金を借りることが出来ない場合も出てきます。これは従来収入のない専業主婦などに融資を行った結果、返済に窮し、様々な問題を惹き起こしたことも1つの原因になっています。(⇒キャッシングの総量規制とは何か)
これ等のほかこの改正では、貸金業協会の自主規制、夜間および日中の厳しい取立ての規制、生命保険金による返済の禁止、特定公正証書作成の委任状取得の禁止などが含まれており、従来消費者金融に付きまとっていた闇の部分にメスが入れられ、利用者保護の色彩の強い改正になっています。キャッシングを利用する際、これ等に抵触するような要求を出された場合には、その業者は闇金かそれに近い業者ではないかと思われますので、すぐに退散して下さい。
これ等の改正によりまっとうな消費者金融は大変利用し易くなりました。しかし、従来消費者金融を何社か利用してお金をやりくりしていた人が総量規制によって利用できなくなった場合、最後の手段としてまっとうでない消費者金融要するに闇金に手を出さざるを得ない状況に追い込まれることも問題になっています。もしこのような理由で融資を断わられて、困窮している場合には、闇金に手を出すのではなく、公的機関で相談することを勧めます。